人間の場合、XY染色体の組み合わせによって性別が決まることは、みなさんよく知っていることでしょう。
では長寿の代表生物である亀はどのように性別が決まるのでしょうか?
実は亀は一部の種類を除いて、孵化する前の卵の段階では性別は決まっていません。
つまり卵の段階では性別の判断は不可能ということです。
人間はお腹に命を宿した時点ですでに性別が決まっているのに、どうしてなのでしょうか。
どうして性別は決まっていないのか?
脊椎動物の多くは遺伝的にきまる性別ですが、亀は卵のときには染色体を持っていません。
性別はオスでもメスでもないということです。
ではどうやって性別は決まるのでしょうか。
亀は卵が孵化するまでの温度環境で性別が決定するのです。
これを「温度依存性決定」、TSD(Temperature-dependent sex determinationの略)といいます。
人間では考えられないこの性別が決まるしくみ、とってもユニークな現象ですよね。
亀以外にも、爬虫類の中でワニやトカゲなども温度で性別が左右されます。
温度の範囲は様々ですが、亀は低温でオスになり、高温でメスになる種類の亀と、低温と高温でメスになり、中間の温度でオスになる種類の亀がいます。
めでたく孵化し性別が決まる亀ですが、子亀の時にはオスかメスかという判断は難しく、成体になるまでは特徴が現れるのはまだ先のことです。
子亀を飼っていらっしゃる方は大きくなるのを楽しみに待っていてください。
まとめ
亀の性別が決まる過程を紹介しましたが、いかがでしたか?
約2億年前の三畳紀末出現したといわれる亀。
絶滅の危機をも乗り越え、進化を遂げて今現在も生息し続けているのです。
温度依存性決定は、亀の歴史がこれほど長いにもかかわらず謎が多く、なぜ彼らが温度に影響されるしくみを選択したのかは今も解明されていません。
硬い甲羅に覆われた見た目といい、本当に不思議な存在です。
研究が続けられ、ひとつでも多くの謎が解明されることはとても楽しみです。
まだまだ亀の神秘的な歴史が、長く続いていく事を願うばかりです。
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