天敵とは、その生き物の敵として存在し、最も抵抗し難い強敵の事です。
人の場合の天敵とは、苦手な人物や思い通りにならない相手の事を、軽い比喩表現のように使用する事が多いようですが、自然界での天敵とは、まさにその生物の命のかかった敵になります。
そして、その天敵の存在は、自然界の均衡を保つ上ではとても大事なものなのです。
例えば、農作物を荒らす病害虫の天敵は鳥類であったり、鳥類の天敵はキツネなどの哺乳類であったりします。
それが、食物連鎖と呼ばれるサイクルになっていくのです。
しかし、その食物連鎖は時として人間の仕業で、大きく崩れる事があります。
害虫だからといって特定の虫を駆除し結果、鳥の数も減ってしまったり、天敵がいなくなった生物が、以上発生したり、人間の行動が、食物連鎖のバランスを崩してしまうのです。
同じ事がカミツキガメにも当てはまります。
なぜ、現在のようにカミツキガメが日本で問題視されているのかは、天敵の存在を探る事で見えて参ります。
詳しくご説明いたします。
カミツキガメの本当の天敵とは?
カミツキガメの天敵は、ワニや、大型の蛇、肉食性の哺乳類や鳥類です。
それらの天敵にカミツキガメの子供が食べられて数は減っています。
しかし、その話は原産国アメリカでの話です。
アメリカの自然界では食物連鎖の均衡はそういう事で保たれていますが、ワニや大型の蛇のいない日本に突然連れてこられたカミツキガメは天敵が存在しません。
それに加えて、カミツキガメは昆虫や、カエル、魚、鳥類、貝類、挙句の果てに、植物の茎、葉、果実まで口に入るものは何でも食べてしまいます。
天敵のいない状態で、無敵の大食漢が表れたのです。
例えるなら小学生の給食の時間に、大人のフードファイターが現れたみたいなもので、全てを食べつくします。
おまけに、カミツキガメは80年生きるのではないかと言われています。
カミツキガメが放たれた沼はもう生態系はめちゃめちゃになってしまします。
そういう事で、人間がまいた種に人間が苦しめられる結果になってしまいました。
このまま野放しにしておくわけにはいかなくなってしまい、現在は捕獲作戦が行われています。
普段は水中で生活しているカミツキガメの捕獲にやっきになる人間が、この日本におけるカミツキガメの天敵となるのでしょう。
まとめ
カミツキガメは人間に捕獲されない限りは、どんどん数か増えて行きます。
千葉の印旛沼周辺では繁殖が確認されています。
普段は水中にいて、人間にとっての攻撃はほとんどありませんが、沼の中の生態系は崩壊し、食物連鎖のバランスが崩れてしまった現在、思いもかけない所から、カミツキガメの影響が出てくる間違いないでしょう。
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