外来生物と呼ばれる、日本の在来生物の生態系や、人にまでも危害を加えてしまう生物がいます。
アライグマ、セアカゴケグモ、ブルーギルなど113種類(約1200種)もの生物が指定されています。
多くは、ペット用として外国から日本に持ち込まれた、元々日本にはいない生物が、飼育放棄というかたちで放たれた結果の顛末です。
それを特定外来生物と呼んで忌み嫌っているのですが、その中に、爬虫網カメ目カミツキガメ科カミツキガメ属のカメ、カミツキガメも指定されています。
名前を聞いただけで必殺技のわかるプロレスラーような名前ですが、もともとは気軽に手に入るペットだったのです。
これから、カミツキガメについて詳しくご説明いたします。
カミツキガメの飼育は許可が必要?
特定外来生物は、飼育する事は法律で禁止されています。
しかし、もともとはペットとして飼われるために輸入されたものなので、現在も大事に愛情をかけて育てている人も沢山います。
一方では、子供の頃は可愛くて扱い易く、卵も沢山産む為、比較的安価だったことが災いし、飼う人が多くいたのですが、大人になると、最大50センチまで大きくなる事で、飼育放棄をしてしまう人が多発しました。
そして、野外で爆発的に増えてしまい、在来種と人に危険が及ぶという事で、特定外来生物に指定されてしまいました。
飼育の許可が下りたのは、もともと飼っていた人が継続的に飼う為の許可であり、新たに飼い始めることの許可ではありません。
しかも、規制されてから6ヶ月以内の申請が必要だったので、カミツキガメについては、もう期限が過ぎています。
新たに認められるのは、学術研究や、展示の為の目的がある特別な場合に限定されています。
継続的に飼う為の許可申請にも細かい基準が設定されています。
カミツキガメの飼育基準に沿った飼育施設を準備し、申請書に記入が必要となります。
申請書には飼育施設の図面が必要です。
ケージの寸法、材質、施錠方法なども、当然記入しなければなりません。
そして、環境省が飼育が継続的に可能だと、認められた場合のみ、許可証が交付されます。
そして、その後、許可番号を飼育ケースに取り付けた写真を環境省に送らなければならない程の念の入れようです。
そしていずれは、カミツキガメに対しては、獣医師によるマイクロチップの埋め込みが義務化される方向で進んでいます。
まとめ
残念ながら、原因は全て無責任な飼い主にあり、動物達は悪くはありません。
大変な思いをして申請しなければ、規制前から飼っていたカミツキガメすらも飼えなくなってしまいました。
おまけに、絶対に繁殖させてはいけませんので、申請の段階で、雌と雄を分けて飼育をしなければならないのです。
許可を得ずに飼育した場合は、罰金300円以下、または懲役3年以下が下されます。
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