「ペットショップで売れ残った大きな犬みたい」日本の誇る偉大な大リーガーのイチローが、2017年の冬の移籍先がなかなか決まらずに言った言葉です。
人は小さくて自分の手の内にあるものは可愛がりますが、あまり大きくなると手を焼いてしまうということなのでしょうか。
同じ事がカミツキガメにも言えます。
比較的多くの卵を産むカミツキガメは安価な上に、小さいうちはとても扱い易く、可愛いのです。
その事が、現在のカミツキガメの被害の大きな原因を作りました。
その原因をご説明いたします。
ペットのカミツキガメからの被害
1960年頃からカミツキガメはペットとして輸入されるようになりましたが、現在では規制されてしまいました。
それは、可愛いからと安易な気持ちで飼い始めた飼い主や、売れ残ったカミツキガメが手に負えなくなってしまったペット販売業者までが、飼育放棄してしまったからに他ありません。
カミツキガメは小さい頃はとても扱い易く、可愛く餌を食べます。
1回で20から30個の卵を産み、だいたい三ヶ月程度で孵化します。
生まれたばかりのカミツキガメは5センチ程度で、ちっちゃい怪獣のような容姿をしているので、飼ってみたくなる気持ちもわかります。
しかし、成長するとその大きさは、10倍の50cmにもなってしまいます。
しかも、カミツキガメは尻尾が大きく、首も長く伸ばす事が出来るので、鼻先から尻尾までは1メートル程になる場合もあります。
そして、夜行性のなので大きくなると昼間はほとんど動き回りません。
とんでもなく大きい水槽が必要な上に、ほとんど動く姿が見ることが出来ない。
しかも、大きくなるにつれて、どんどん気性が荒く凶暴になり、長い首を伸ばして飼い主にまで威嚇を繰り返します。
距離があるからといって大丈夫だと不用意に近づくと、ジャンプして噛み付きます。
不用意に近づく事も出来ないものをペットとして面倒見ていくことが出来なくなる人が、ある時期から一斉に増えたのはこういう理由があったのです。
そして、飼育放棄され捨てられたカミツキガメは日本中で繁殖し始めました。
北海道と東北以外の全ての県で確認されています。
それは、カミツキガメが寒さに強い事と、雑食性の為食べ物に困らないからです。
昆虫や、カエル、蛇用の爬虫類、鳥類、貝類、小型の哺乳類、花や茎、果実まで口に入るものは何でも食べてしまいます。
その為、日本の在来種の絶滅は当然の事ながら、生態系までおかしくなり、地域の自然のバランスが崩れてしまっています。
まとめ
生き物を飼う時にには、最後まで面倒を見なければならない事が重要です。
ただ、ペットを販売する側も充分に説明を行うべきではないでしょうか。
そもそもペットとして飼う事が不向きなカミツキガメを輸入してしまった事に問題があるように思えてなりません。
こうなってしまった以上、第二のカミツキガメを出さないようにしなければなりません。
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