ニュースでもとりあげられることの多い亀からのサルモネラ感染。
庭で放し飼いしている場合と水槽で飼育している場合の間には差があるでしょうか?
サルモネラ感染の実態や予防法とともに考察してみましょう。
亀とサルモネラ菌
そもそもサルモネラ菌自体は広く自然界に分布しており、亀に限らず人間を含めた多くの生物から検出されますが、亀を含めた爬虫類全般は他の生物と比べてその保有率が高いことが知られています。
ほとんどの場合、亀が健康であればサルモネラ菌が体内にいても腸の中に少量留まっている程度で放出されることも少ないため、亀自身はもちろん周囲の生物にも脅威になることはありません。
サルモネラ菌は高い湿度と温度を好んで増殖します。
すなわち特に注意すべきは水場の水です。
特に夏場などに水換え清掃を怠った場合は爆発的に増殖してしまいます。
サルモネラ菌感染するのはこんな時
亀がストレスにさらされ続けたり、外傷や寄生虫などを受け健康を害するとサルモネラ菌が活性化し亀を襲い、また糞尿と一緒に放出されます。
サルモネラ菌が水場の中で増え、その水に触れた人がその手で食物を持つことなどにより感染します。
また前述の通り、健康な状態でも少量は排泄物に付着していますので、それが水場の中で増殖することを考えると、最もリスクが高まるのは水を中心として飼育環境の維持を怠った場合と考えられます。
放し飼いと水槽飼育の差は?
ポイントが水の管理ということを考えますと、水槽飼育の方がリスクは少ないように思えますが、感染例では水槽飼育のケースの方が多いと報告されています。
サルモネラ菌は高い湿度を好むため、放し飼い環境よりも湿気のこもりやすい水槽の方が繁殖しやすいためと考えられます。
一方で庭で池を利用して放し飼いしていて、こまめな水換えが難しい場合などは同様に菌が増殖しやすいので注意が必要です。
予防法とまとめ
以上にみてきましたように、亀そのものがサルモネラ感染に関して危険な生物である、というわけではありません。
こまめな水換え清掃をしてあげたり、亀の健康状態に気を配ってあげるなど、一般的な健やかな飼育をしてあげることがそのままサルモネラ感染を予防することにつながります。
また、亀に限らず生き物に触った手をそのままにせず必ず洗うようにし、特に物を食べる前には手を洗うなど基本的なことで予防できることです。
一面的な情報で亀を飼うことをあきらめたり、飼っている亀を処分したりしないようにお願い致します。
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