カメは生後4~5年ほどで卵が産めるようになります。
「うちは1頭飼いしてるから卵の心配はない」と思われる方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。
飼っているカメが元気がなくなったり餌を食べなくなったりしたら、原因は「卵」かもしれません。
また、卵を抱えているばずなのに、なかなか産まない原因も同じである可能性があります。
1頭飼いでも卵を産むことがある?
クサガメのみならず、水棲ガメは1頭のみで飼育していても卵を産む時があります。
その場合、卵は無精卵なので卵は孵化(ふか)しません。
繁殖行為をして何年か後にも卵を産むことができる?
遅延接合ができます。
水棲ガメには、オスの体液を体内に長時間保存することができます。
これを遅延受精と言います。
この能力により、3年ほどつがいと行為をしなくても有精卵を産むことができます。
ですので、飼育するカメがオスと一緒に飼育される環境であった場合などは、「1頭で飼育しているのに卵を産んだ」となった時、それは無精卵でなく、有精卵の可能性もあります。
クサガメが卵を産まない原因は?
クサガメが卵を持っているようなのに、産まない?!
しかも元気がなくなってきた…。
そんな場合は、卵詰まり、卵閉塞という病気の可能性があります。
卵詰まりとは?
卵詰まりは、メスガメが体内で育てた卵が何らかの原因でスムーズに産卵されず、体内に留まってしまう病気で、カメの命にかかわる重大なものです。
卵詰まりの原因は?
- 産卵できる環境が整っていない
- 運動不足
- 栄養不足
- 卵が大きく育ちすぎてしまった。
- なんらかの異常によって、体内で卵が不完全な異常卵胞となって詰まる
などです。
どんな症状?
1頭飼いしているのに、カメの元気がなくなった、餌を食べなくなったという時は、この病気を疑ってください。
繁殖活動をさせて産卵環境を整えたのに、いつまでたっても産卵しない場合も卵詰まりを起こしている場合があります。
(産卵する前のカメは、体内に育った卵に圧迫されて餌を食べることができません)
治療方法は?
動物病院で促進剤を注射してもらって、卵が産まれるように促しますが、重症となると手術になる可能性もあります。
ただ、動物病院と言っても実際にカメの治療をできる病院は少ないのでカメを飼育している方は、普段からカメの治療ができる病院を探しておくといいでしょう。
卵詰まりを防ぐためには?
- 栄養バランスを整える(卵ができるとカルシウム、ビタミンが不足がちになります)
- 適度な運動ができる場所を作ってあげる
- 日光浴
- 適切な産卵場所を早めに作ってあげる
- 水温など、カメに適した飼育環境の維持と観察
これらが卵詰まりを防ぐ対策となります。
まとめ
カメの卵詰まりは、人工飼育そのものが原因という説もあります。
また、カメ自身の個体差もあるようです。
いずれにせよ、この病気は飼い主さんの観察と環境管理が早期発見と予防に繋がります。
飼育はしやすいと言われるクサガメですが、繁殖は容易ではありません。
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