最近、海亀の調査で孵化して生まれてくる海亀の子供は、雄が少なく雌のほうがはるかに多いと発表されています。
これは単なる卵の突然変異でしょうか、それとも亀には何か特別な原因があるのでしょうか。
最近、化石燃料使用増大による地球温暖化の懸念がよく言われています。
例えば海水面が高くなったり、海水の温度が高くなり魚の漁場が変わり、今まで捕れていた魚が捕れなくなったり、その逆で獲れなかった魚が捕れたりしていて漁業者を困らせています。
ゆえに海亀のこともこれらが関係しているのではと考えられます。
温度が亀の卵にどのような影響を与えるのでしょうか
地球上の生物は一般的には受精卵は受精した時に、雄あるいは雌と決まっています。
しかし亀の受精卵には雄、雌と決まっていません。
つまり雄あるいは雌のどちらが生まれてくるか決まっていないのです。
これは亀の受精卵には細胞の核にあるはずの性染色体が、他の生き物にはあるのですが亀の受精卵には全くありません。
人間をはじめとし、殆どの生物には性染色体があります。
それではカメの雄、雌はどうして生まれてくるのでしょうか。
これは性染色体がないことに起因し、孵化する迄の温度によって雄か雌になって小亀が生まれてくるという不思議な現象が起こります。
この現象のことを”TSD”と言い、この現象が何故おきるのかについては未だ解明されていません。
またこの現象は、同じ爬虫類のワニやトカゲも同じように卵には染色体がないので亀と同じ現象が起こります。
亀の卵が生まれるまでの温度で雄、雌が決まる実例
それではカメの種類で雄あるいは雌が生まれてくる温度が違うので実例を挙げて紹介します。
アカウミガメなどは28℃以下なら雄、28~29℃なら雄と雌が半々、30℃以上なら雌が生まれます。
カミツキガメなどは20℃の低温と30℃以上で雌で中間の22~28℃では主に雄が生まれます。
キイロドロガメは24~28℃で雄、29~31℃で雌が生まれます。
温度変化による雄、雌の生まれるパターンはこの様に亀の種類によって違います。
なお例外がありスッポンは、産んだ卵には性染色体がありますので卵で雄か雌が決まっています。
まとめ
自然界とは不思議な現象が多く見られますが、亀やワニ、トカゲの卵には普通の生き物にはある性染色体がないため、温度により性別が違う子供が生まれるという現象もそのひとつではないでしょうか。
海亀に関し発表された記事ですが、海水温度および生息地区の温度が高くなり雌亀が多く生まれたことが推測できます。
雄亀が少ないと言うことはこのままでは、いずれ海亀の絶滅も考えられます。
我々人類はもっと真剣に自然と向き合って、地球上すべての生き物に、より良き生活環境を提供するように努力しなければなりません。
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