実は亀は、卵として産み落とされたときには性別が決定していません。

人であれば、お母さんのお腹から産まれたときに、「さあこれから性別を決めましょう」ということはあまり起こりません。

それは、人間の身体の性別は宿った時から決まっているからです。

亀は爬虫類ですが、爬虫類の仲間には人間と同じように性別を決定するものもいます。

では、亀の性別はどうやって決められるのでしょうか。

亀 性別 孵化

温度依存性決定とは

亀の性別を左右するのは、産卵から孵化するまでの環境温度です。

この現象は、TSD(温度による性決定、温度依存性決定)と呼ばれています。

TSDには以下の3つのパターンが存在します。

  1. 低温で100%オス、高温で100%メスとなる。
  2. 低温で100%メス、高温で100%オスとなる。
  3. 低温と高温で100%メス、その中間でオスとなる。

アカウミガメをはじめとして亀に多く見られるのが、1番目の条件です。

アカウミガメでは、28℃以下でオス、30℃以上でメス、その中間でオス・メス両方が見られます。

いつ頃性別は決まる?

カメの場合は、産卵から孵化までの期間を3等分して、その真中の期間中に決まるようです。

ちなみに、トカゲなら4等分したうちの2番目、ワニなら4等分したうちの3番目に決定するのだとか。

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温度が一定ではなかったらどうなるの?

今まで述べてきたことは、大体が研究室で温度を一定にした状態で得られたデータに依るものです。

当然ですが、自然界で温度が常に一定である場所なんてありません。

昼と夜でも温度差はあります。

しかし、大雑把な表現になってしまいますが、比較的低いところで温度が上下する場所と、比較的高いところで温度が上下するところでは、研究室での実験と同じような結果が出るようです。

低いところならオス、高いところならメスというふうに。

たとえば、同じ川の沿岸でも、木陰のところにオスが多く生まれるというデータがあります。

余談ですが、地球温暖化の憂き目にあって、今ウミガメの数が減っているのだそうです。

温度が高くなったせいでメスの比率がどんどん高くなって、繁殖ができなくなっているのが理由です。

まとめ

人間とは全く異なった性決定の条件を持っているカメの生態はいかがでしたか?

この分野はまだフィールドでの調査が進みきっていない新しい分野なので、今後の研究次第ではカメや他の爬虫類の生態についてもっと新しいことが分かるかもしれないのです。

ぜひ楽しみにしたいですね。

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